『国立科学博物館サイエンスコミュニケータ養成実践講座』の紹介

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国立科学博物館サイエンスコミュニケータ養成実践講座」の今年度受講生募集が始まっている。

当講座は以下の資質・能力を習得することを目的としている。
1)サイエンスコミュニケーションの考え方を学び、専門外の人々と科学技術をわかりやすく語りあうためのコミュニケーション能力
2)専門家、一般の人々それぞれの立場から科学技術をとらえ、人と人をつなぐコーディネート能力

大学生(修士、博士課程含む)を主な対象としているが社会人の参加も相談に応じていただける。
私は一昨年、社会人(といっても限りなく無職だったが・・・)として参加し、無事認定証を受領した。

講座のカリキュラムは国立科学博物館のHPに掲載されているので詳しくはそちらを参照いただきたい。また、本講座に関連した科学系博物館を活用したサイエンスコミュニケーション活動についての研究論文も公開されているので興味があればこちらも目を通しておくと講座の目的や背景がより理解できるだろう。
科学コミュニケーターに期待される資質・能力とその養成プログラムに関する基礎的研究公式サイト

本エントリーでは、上記資料ではあまり触れられていないカリキュラム外での本講座の特徴・利点に関して、私の感じたことを参考までに挙げておく。


一つ目はなんといっても博物館という場の利用である。

講座期間中はいつでも博物館の中を見てまわれる。
機会があればバックヤードの動きも見せていただくことも可能。
来場者の導線や目線を考慮した展示のテクニック、展示ボランティアの方やスタッフのコミュニケーション手法、そして実際訪れている一般来場者の動きや声を、直に感じ、学ぶことができる。
座学では得られない生の学習素材がいたるところに転がっている。

二つ目は、講師や講習生同志のコミュニケーション時間が講義の合間や前後にたっぷりあることだ。

講習生の学問領域は多種多様。講師もバラエティーに富んでいて、自然科学系の研究者、工学系の研究者、ジャーナリスト、広報、博物館運営スタッフなどなど業種も職種も幅広い、しかもみな第一線で活躍している方ばかりだ。通常これだけ分野が違う人が集まる機会はあまりない、このような未知の世界の人たちの会話は刺激的である。サイエンスコミュニケーションの理解を深めることだけでなく、知的好奇心を満たし、視野を広げ、自分が進むべき道を考える手助けとなる。特に同期の講習生には色々なことを学ばせていただいた。
また、ここで培ったネットワークは講座終了後もゆるく繋がっていく。なにかのときに情報交換できる仲間がいるのは心強い。

一流の講師陣を揃えたカリキュラム、時間にして100時間以上。それでもカリキュラムから学べるのはあくまでサイエンスコミュニケーションの基礎。活用事例のほんの一部、エッセンスでしかない(もちろん独学とは得られる知識と経験は比べ物にならないが・・)。
学んだ知識や経験をどう生かすかは講座中も講座終了後も、講習生に委ねられている。
それだけに試行錯誤して自分なりのスタイルを模索する楽しさがあり、社会の中のサイエンスコミュニケーションの役割を考えるよい機会になる。
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募集締め切りは平成21年6月19日(金)
サイエンスコミュニケーションに興味がある方は、この機会に応募してみたらどうだろうか。

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【会  場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
地球館・日本館・多目的室など
【開講期間】 平成21年7月21日(火)~平成21年8月31日(月)
(SC1:上記期間の内の17日間,全36コマ)
【対  象】 大学院生
*社会人(学芸員・教員等)の方の受講希望については相談に応じます。
【参加費用】 一科目 60,000円
(国立科学博物館 大学パートナーシップ入会大学の学生は、
30,000円)
【応募方法】 ホームページ上の専用応募フォームからお申し込みください。
(“サイエンスコミュニケーション1”のみの募集になります)
【申込締切】 平成21年6月19日(金)

詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/learning/university/partnership/02.html

※科博メルマガ(2009年5月14日号)より転記。
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なお、当社は私を含め「国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ」が2名在籍。
まだ数少ないIT分野におけるサイエンスコミュニケーションの利活用に取り組んでいる。

当社が持つシステム開発のノウハウ(専門家や利害関係者の要望を取りまとめる技術、専門家の要望を仕様書に落とし込む技術、仕様書の内容をシステムに落とし込む技術、システムの仕様を正確に伝える技術、プロジェクトマネージメント技術、etc.)に、サイエンスコミュニケーションの各種思想・手法を取り込み、IT分野における研究開発の発展に貢献する。

一例として、研究開発活動のアウトプットの場である組織内部の成果発表会を始め、学会、展示会にて、規模や聴衆の属性を考慮した効果的な発表ができるように様々な支援をしている。
ポスターやモックアップの作成、デモビデオの作成といった発表に必要なツールの準備や設置、さらに要望に応じて発表時のコミュニケーションアドバイスまで幅広く対応する。
単にわかりやすく”伝える”だけでなく、研究の背景、意義、そして社会の中での位置づけが”伝わる”仕組みの提供を目指す。

※研究成果発表の差別化に興味があるかたはこちらまで。

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