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コグニティブ無線動向 「電波有効利用シンポジウム2008」聴講記

12月5日(金)に明治記念館で開催された電波産業会主催の「 電波有効利用シンポジウム2008」に参加してきた。

テーマは「コグニティブ無線による新たな電波利用システム」

コグニティブ無線とは、無線端末が周囲の無線状況を自動的に認識・認知し、複数の無線サービスの中から、状況に合わせて最適の無線サービス(方式・チャネル)を選択して、利用できるようにする新しい無線技術。

来賓の挨拶のあと、識者4名によるコグニティブ無線の最新の技術動向や取組についての講演。

まずは大阪大学大学院三瓶政一氏よりコグニティブ無線の背景と概要の説明。次に株式会社KDDI研究所竹内和則氏からコグニティブ無線特有の課題と解決のための取組についての最新動向の説明。さらに独立行政法人情報通信研究機構原田博司氏からはコグニティブ無線に関わる標準化動向及びその活動についての概要説明とともに、コグニティブ無線を絡めたビジネスモデルについても言及があった。

最後に、コグニティブ無線の提唱者である Dr.Joseph Mitola氏の講演があり、遺伝子プログラムや認知言語学といった通信工学とはまた違った課題解決のアプローチをつかった研究内容が発表された。4者とも共通していたことは大きく2点、

  • 無線環境は不安定かつ不確定であり、技術的課題はまだまだ山積である。
  • しかしながらできることから要素技術を組み合わせて実現していくことが大切。

と、2015年までくらいに研究開発を終え、実用化に向けたステップへ移行したい旨を説明していた。簡単にトピックを挙げておく。

背景
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  • 18か月~24か月の速いペースで新しい通信方式が標準化され、新規に割り当てるための周波数帯の統廃合ペースが追いつかない。
  • 標準化される通信方式のほとんどはブロードバンドであり、統廃合をより難しいものとしている。
  • 公衆無線に適した周波数帯は限られており、今後周波数の枯渇は避けられない、周波数の有効利用技術が必要。
  • 従来のシームレス通信でのハンドオーバーは電波の強弱や位置情報などを元に繋がる無線に切り替える技術である。
  • 「電波の有効活用」に視点をおいた場合、電波の混雑度を指標とした新たな切り替え技術が必要。

技術的課題
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  • 電波に係る特性(指向性、センシング時間、非免許バンド等々)により無線区間の混雑度を 正確に測ることは困難。
  • 混んでいることは把握できても、空いている状態を証明するのは困難。
  • 「空いている」と「使える」は別物。
  • 免許バンド(キャリア管理)の無線リソース状況は比較的正確に把握可能だが、端末側へ周辺状況を通知する仕組みは必要。
  • 無線状況を把握してから切り替えたのでは遅い、予測して切り替える仕組みが必要。

取組・その他
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  • 国際標準化については主にIEEE802.22やIEEE1900.xで議論されている。
  • IEEE1900.xは日本が主導。
  • コグニティブ無線技術を活用することにより、加入者トラヒックのロードバランスが可能となるためキャリア側にもメリットがある。
  • この技術課題の難しさ、事象の複雑さを、ステークフォルダー(規制当局、ユーザー等)に技術者として正確に伝える必要がある、そのために認知言語学というアプローチを利用している。

シンポジウム全体を通して
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複数周波数を活用するへトロジニアスネットワークの研究はシームレスやユビキタスといった キーワードで、いつでもどこでもだれとでも繋がるユーザの利便性を追求していた段階から、 電波という社会的公共財の有効活用の研究へシフトしたことを強く感じた。

なお、当社も端末の認識・認知をネットワーク側からサポートするコグニティブワイヤレスクラウド(通称CWCシステム)技術開発を国の研究機関より受託し、微力ながら本研究開発の一端を担っている。また無線資源利用の最適化を可能にする適切なシステムアーキティクチャーとプロトコルを 定義する国際標準化活動( IEEE SCC41 1900.4)にも参加している。

今後も当社のソフトウェア技術を活かして電波の有効利用技術の発展に貢献していきたい。