旧年中はひとかたならぬお引き立てにあずかり、誠にありがとうございました。
顧客のみなさま、業務パートナーの方々、社員を支えてくれたご家族のみなさま、お世話になった関係者の方々に深く感謝申し上げます。
創業5周年を迎えた昨年も、研究開発サービスを大学・研究機関向けに提供して参りました。新世代のネットワークアーキテクチャー、電波資源を効率的に利用するホワイトスペース帯の活用技術、異種有無線環境化での最適ネットワーク選択技術など、情報通信分野における検証用ソフトウェアの実装や国際標準化支援を主に行いました。また、新たに科学教育分野の研究システム開発を手掛けさせていただくことにもなりました。我々が提供したプロトタイプソフトウェアを利用して得られた成果が、研究者のみなさまの研究に少しでも役立てたなら幸いです。
そして、研究用のプロトタイプソフトウェア開発と並行して、研究コミュニティー活動の支援も継続的に実施してきました。自社プロダクトである研究室向けの統合コミュニティーウェア『LabCommons』を活用し、複数のサイエンスコミュニケーション関連組織の交流支援を行いました。支援を通じていただいたご意見・ご要望を『LabCommons』の機能改善に反映させるとともに、積み上げた運営ノウハウを次の活動支援に活かしていければと考えております。
さらに、研究成果や先端技術社会にわかり易く魅力的に発信するための方法論を探求すべく立ち上げた『技術表現研究所』では、 技術展示における来場者の閲覧行動の調査研究結果を、「日本展示学会」にて発表しました。共同研究者の千葉工業大学の安藤先生にも同研究の成果を「ヒューマンインタフェース学会」で発表いただきました。今後も、技術の伝わり方の調査研究を発展させながら、効果的な技術表現の標準的な指標を確立していきたいと存じます。
こうした取り組みを実行するにあたり、社員一人一人が技術力の向上に努めました。多くの選択肢の中から最適な解決策を提案できるように技術の引き出しを日々増やし続けています。OSSとして公開した開発支援ライブラリー『BitMeister ASN.1 Library for Java™』においては実務の成果を反映しつつ更新を重ねています。加えて、7月には事務所を移転し、増資も実施しました。お客様に安定したサービスを提供できるよう社内開発環境を整備し、財務基盤の強化も図って参ります。
本年は、研究開発サービスをより充実させるために、提供サービスの拡充と、パートナーとのネットワーク創りに力を入れていきます。まずは開発中の新たな学術研究支援のWebサービスを今年前半に提供を始める予定です。また研究計画の初期段階から研究開発システムの運用保守まで一気通貫して継続的にサポートができるように定額制の支援形態も現在検討中です。そして、ソフトウェア業にとどまらず、技術表現に関わるデザインや社会科学の分野の専門家との協業ネットワークを強化し、総合的な研究開発サービスプラットフォームを構築してきます。
何卒、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
みなみな様にとって幸多い年になることを社員一同心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
平成25年 元旦
株式会社ビットマイスター
代表取締役 笠原 勉