Common Alert Message Format

きょうは Common Alert Message Format (CAMF) について所感を書きます。準天頂衛星みちびきの災害・危機管理通報サービス(DCR)というのがありまして、その拡張(DCX)のメッセージフォーマットがCAMFです。

みちびきからはすでにCAMFのDCXメッセージが降ってきていて、欧州連合のGalileoの早期警報システム(EWS)もこの共通メッセージフォーマットが使われることになっています。なので、CAMFのデコーダーを実装すればGalileoのEWSも簡単にサポートできるはずです。こういうのは作る側からすると非常にありがたいですね。とはいえ、既存の気象庁の防災気象情報に基づいたDCRのメッセージフォーマットもわかりやすくよくできていました。CAMFはやろうとしてることが壮大な分、少し仕様が複雑です。

仕様の解説は仕様書を見てもらえばいいので、DCR/DCXデコーダーazarashiを実装していて感じたことを書きます。そうです、感想をつらつら書くだけでです、書きたいので。
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Azarashi supported DCX

ようやくできました。みちびきの災害・危機管理通報サービス(災危通報、DCR)にJ-AlertとL-Alertが追加されると聞いて、「2つ追加されるだけでしょ?チョロいチョロい」と思っていたら全然違いました。DCRのデコーダーをもう一度作るような手間がかかりました。

https://pypi.org/project/azarashi/

J-Alert、L-AlertはDCXというDCRとは異なるメッセージで配信され、CAMFというメッセージフォーマットを使っています。日本の災害・危機管理通報だけをターゲットにしたメッセージフォーマットではなく、様々な災害が定義されており、EUのGALILEOと共通で用いられることが想定されているようです。これはまた別の記事で書きます。

さて、azarashiはDCXをCAMFで定義されているビットフィールドに従ってこのように文字列化します。
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How to Use Momonga

MomongaはBルートサービスを利用してスマートメーターと通信するPythonモジュールです。今日はその使い方を説明します。

0. 電力会社にBルートの申請
兎にも角にも、まずBルートのIDとパスワードを入手してください。東京電力では自宅のスマートメーターならWebからピッピやるだけでできました。

1. Wi-SUNモジュールBP35C2を調達する
ラトックシステムのUSBドングルがAmazonで売ってます。USBドングルである必要は特にないのでUARTを使うタイプでもよいでしょう。

2. Raspberry Pi OS をインストールしたRPiにドングルを挿す
Raspberry Piじゃなくてもシリアル通信できればなんでもいいです。Windowsは試してないけど動くかもしれません。もし動かなかったら参考までに教えて下さい。

3. Momongaをインストールする

$ pip install momonga

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Bルートのライブラリを作った

Bルートのライブラリないかなーと思ってググったけど、なかったんですよ。ぼくの探し方が悪かったのかもしれないんですけど。なのでプロのプログラマがプロのクオリティで作りました。Bルートでスマートメーターと通信するライブラリ、モモンガです!

https://github.com/nbtk/momonga

ターゲットデバイスはROHM社製Wi-SUNモジュールBP35C2を搭載したラトックシステムRS-WSUHA-Pです。USBドングルじゃなくてもBP35C2なら使えるはずです。

あとはどうでもいいことをつらつら書くので、使う方はレポジトリのREADME.mdを読んでください。
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創立16周年のご挨拶

残暑厳しい折、皆様方におかれましては、ますますのご健勝をお祈り申し上げます。

さて、私たち株式会社ビットマイスターは、お陰様で創立16周年を迎えることとなりました。これまでのご支援に、深く感謝の意を表し、心より御礼申し上げます。

第16期において、第5世代移動通信システム(5G)を超える次世代通信技術、Beyond5G向けの要素技術の検証用アプリケーションの開発をはじめ、仮想空間での無線システム模擬を行うワイヤレスエミュレータの環境構築、陸上から宇宙に至る全ての領域をシームレスに繋ぐスペースICTシステムのオーケストレーター開発、ならびにシミュレーション用ソフトウェアの提供等、通信分野の研究開発支援を多岐にわたって行いました。

科学教育・教育工学分野では、学習支援システムの高度化事業にも複数取り組みました。

また、学術系クラウドファンディングサイト「academist」の運営元であるアカデミスト様の研究支援プログラムへの協賛、学術研究プロジェクトのIT化、保守運営等も含め、研究者の科学活動の支援を継続しております。

弊社は、研究活動をソフトウェア技術でサポートする「研究開発ITサービス」を特化して提供し、いまで言うところの研究開発DXを早くから推進して参りました。近年、既存の顧客様からの紹介や、過去の実績を通じての新規のお客様からの問い合わせも増えてきてました。

私たちの役目は、ソフトウェア技術を活用し、多様な研究開発活動をサポートし、皆様と共に次世代の技術を築き上げていくことです。

今後とも、変わらぬご支持とご鞭撻を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

令和5年8月20日
株式会社ビットマイスター
代表取締役 笠原 勉