「対決」というフレームワーク

土曜日に、上野の国立博物館で「対決-巨匠たちの日本美術」展を見てきました。国立博物館の特別展は毎回大盛況なのを覚悟して行くのですが、今回も会期末だというのに予想以上の混雑ぶり。入場制限まで行われていて、入り口の前で15分ほど並んでからようやく中に入ることができました。

「対決」というのは、同時代に活躍した作家や師匠と弟子にあたる作家など12組の巨匠の作品を、それぞれに並べて展示するという趣向。で、思ったのですが、この「対決」という企画、いろんな面で秀逸です。

  • キャッチコピーとして効果的
  • 「対決」と聞くと「どっちが勝つんだろう?」と気になってしまいませんか?同じ展示内容だったとしても、「同時代の二人の巨匠展」といったタイトルよりも、なんだか面白そうに感じます。ランキング記事を見ると「一位は何だろう?」と気になってしまうのと同じ心理かも知れません。

  • 展示内容に融通がきく
  • このタイトルなら、同時代の巨匠二人の作品を集めれば、なんでも展示の対象にできます。雪舟、等伯、応挙、若冲、写楽、円空と、キャッチ―かつバラエティに富んだ(悪く言えば節操のない)ラインナップにできたのも、このテーマのおかげでしょう。

  • 鑑賞のテーマを提供している
  • 「対決」というテーマが与えられているので、観客は堅苦しく考えることなく「どこが違うんだろう?」とか「どっちの作家が好み?」といったリラックスした視点で作品を楽しむことができます。作品の楽しみ方を知ってもらえれば、今後の博物館の観客数増加も見込めるのではないでしょうか。

実際のところ、お客さんには普段はあまり美術館に足を運ばない(と思われる)方が多かったようでしたが、それぞれに自分なりの勝敗をつけて楽しんでいる声が聞こえてきました。展示会などでも、展示内容に興味を持って見てもらうには、こういった見方・楽しみ方の「フレームワーク作り」が大事なんですね。

私はというと、あまりの混雑に気に入った作品を何点か見ただけで、早々に退散してしまいました。個人的には、観客を集めるのもほどほどでお願いしたいところです…。

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