IPv6の実験環境を作ろうと思って、アドレス体系を考えていたのですが、
実験用に適したIPv6アドレスというのはあるのでしょうか?
IPv6では、1対1で通信するために使用するアドレス(ユニキャストアドレス)として、グローバルユニキャストアドレスとリンクローカルユニキャストアドレスというものを規定しています。
リンクローカルの方は、その名の通り、そのリンク(≒ネットワーク)内でのみ利用できるアドレスで”FE80::/64″のネットワークになります(RFC2464)。
グローバルは外部でも利用できるアドレスです。
今回構築しようとするネットワークは、ルータ役のLinuxPCが他のPCのIPv6アドレスを自動で設定する形でグローバルアドレスを利用したいのですが、
上記のリンクローカルアドレス以外で、万が一、上位ルータにパケットを流してもネットワークに影響を与えない(他のネットワークに転送したりしない)アドレスがあれば、それを使いたいと思った次第です。
結論からいえば、RFC3849記載の”2001:DB8::/32″が利用できそうです。このRFCでは、何らかの文書等で例として挙げる際に利用するアドレスプレフィックスとして規定していますが、ルーターがルーティングすべきでないアドレスであるならば、実験用としても使えそうです。(より適したアドレスが他にあればコメントください。。)
ちなみに
IPv6アドレスの現在の割り当て状況に関する情報源もついでに調べたのでメモしておきます。
- ○アドレス空間別のアドレスの用途
- http://www.iana.org/assignments/ipv6-address-space
※グローバルユニキャストは”2000::/3″のネットワークに含まれる、というのがわかりますね。 - ○グローバルユニキャストアドレスの地域別の割り当て
- http://www.iana.org/assignments/ipv6-unicast-address-assignments
※日本はこのうち、APNICに割り当てられたところから、割り当てられます。 - ○APNICが割り振ったアドレス
- ftp://ftp.apnic.net/pub/stats/apnic/delegated-apnic-latest
ftp://ftp.apnic.net/pub/stats/apnic/delegated-apnic-extended-latest
※この中でJPとあるのが日本の組織に割り振ったもの。具体的にどの組織に割り振ったかは、http://www.apnic.net/にあるwhoisサービスで”2001:DB8::/32″とか入力するとわかります。
他に、
Ghost Route Hunter : IPv6 DFP visibility : APNIC
というサイトでは、APNICが割り振ったアドレスと組織が一覧で出て便利なのですが、いちいちルータの存在確認をしている気がする(”Last seen”の値が表示のたびに違う)ので、あまり何度も見るとネットワークに負荷をかけてしまうかもしれません。
rfc2471はいかがなもんでしょうか?既に上位RFCで否定されてしまっているかもしれませんが。。
上位ルータが外部ネットワークと仮定しますと、上位ルータがIPv6非対応であれば、無視(DROP)されるのではないでしょうか?
IPv6対応ルータだとすれば、iptables-ipv6を社内PCルータに導入し、OUTPUT/FORWARDに制限をかけるのはいかかでしょうか?
> rfc2471はいかがなもんでしょうか?既に上位RFCで否定されてしまっているかもしれませんが。。
自己フォローです。
RFC3701で既に否定されているようでした。。お騒がせいたしました。
コメントありがとうございます。
実際、ルータの設定次第でどんなアドレスでも使っていいのですが、
実験用にネットワークを組む時にいちいちどんなアドレスにしようかと
毎回考えるのが面倒なので、自分の中でルールを決めるために
調べてみたのが今回の記事です。
#変数名などの命名規則みたいなもんです。(…ちょっと違うかな。)
6boneのアドレスはおっしゃるとおり廃止になったので記事には
書きませんでした。
が、現時点では使われていないアドレスなので、使われている
可能性のある他のアドレスよりは適しているかもしれませんね。
いまさらですが、RFCをみつけました。
RFC4193です。
http://tools.ietf.org/html/rfc4193
IPv4のプライベートアドレスと違って、一部をランダムなアドレスとすることで、
ある程度一意になるように(他のアドレスとぶつからないように)しているようです。
参考となるサイト1
ローカルな環境でIPv6を使う
参考となるサイト2
プライベートネットワーク – Wikipedia
なお、ランダムにアドレスを生成する必要があるので面倒ですが、
上記Wikiの外部リンクに書いてあるサイトのように、
かわりに生成してくれるWebサービスがいくつかあるようです。